「そう、これだよこれ!!」

「これが言いたいんだよ!!」

初めて、この曲を聴いた時に思ったこと……。

 

 

これを日々の診療の時に私のクライアントに言いたい、いや最近は言っている。
そしてもっと沢山の人達に知ってもらいたい、そんな事を思うようになった

 

何を言っているか?
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、とあるアーティストの今日の歌詞の一部で、
『俺の言うことを聞いてくれ、俺を含め誰の言うことも聞くなよ』と言っている。
そう、日々の診療において私は結構おしゃべりなので色々な事をお話させて頂く。

でもね『私を含めて誰の言うことも聞いてほしくない!!』と。

最近のニュースで今となっては皆さん、ご存知なので騙される人はいないと思いますが「トイレットペーパーの供給が難しくなり品薄になります」というデマがあった。

これに騙されてしまった人、いますよね?

だってトイレットペーパーが、どこでどうやって作られているか知らないもん。

今やネット社会で情報の取り扱いも難しい。

そこで取り上げられてきているのが「情報リテラシー」という分野。

「情報を正しく理解して行動できる能力」とでもいいましょうか?

なので、今回のトイレットペーパー騒動に引っかからなかった方『おめでとうございます!!』あなたは「情報リテラシー」の能力が高いです!!

 

さて、リテラシーってなんでしょう?

『リテラシー』とは現代的解釈では『適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する』とあります。

 

当然、私が関わる医療分野においても『医療リテラシー(ヘルスリテラシー)』もあり、『医療を適切に理解し、行動できる能力』という事になりますが、そこで大切なのが実は医療情報の質です。

ちょっとむずかしい話になりますが、医療業界でよく取り上げられるのが「EBM:Evidence-based Medicine」の略で根拠に基づく医療という事になります。

いわゆる「エビデンス」と呼ばれるのもですが、このエビデンスが曲者で、いまや色々な医療やそれに類似するもののコマーシャルには多かれ少なかれ出ています。

「これが出ている、表記されていると信用できる」と思ってしまいます。

だって、〇〇大学の教授が話していたから、海外の〇〇での研究だから。

エビデンスではないですが、TVで有名人が話しているからも同じような感じでしょうか?

〇〇大学病院の△△科専門の□□教授が話をしていた。

これはもう、お話されていることは絶対正しいと思いますよね?

でも、実はこれエビデンス的には『そんなに情報の質は高くないんです』

エビデンス、エビデンスと言いますが、実はこのエビデンスにはグレード、レベルがあり情報の質はそれによって変わります。

もちろん専門家、有識者が話をしている事もエビデンスには含まれますが、グレードとしては残念ながら一番下のレベルになります。

一応、一番エビデンスレベルが高いのは「ランダム化比較試験」になりますが、これをするのには当然お金と時間がかかりますので、すべての研究でこれは行なえません。

 

よくTVで見かける医療情報は何処のレベルでの話なんでしょう?

今回のコロナウイルスのメディアで取り上げられている内容はどのレベルでしょうか?

よくよく考えるのに良いきっかけと思います。

 

偉い人が言っているから、有名人だから。

ではその人が話している内容は、どういったレベルの話なんでしょう?

「その方の経験からそう思う」なのか?
「長年の研究としてこういうデータからこうなっている」という話なのか?
「世の中には浸透していないが、その分野の専門家の中では浸透していて共通認識を持っている」話なのか?
だいぶ違いますよね。

この違いを受取るのには、その分野である程度の「リテラシー」を持っている必要があると思います。

 

これは、一朝一夕で身につくものではありません。
私自身も、完全に間違いなくわかるわけではありません。
ぜひ情報を鵜呑みにするのではなく、今持っている知識などを使いこの話の内相の質は何処らへんなのかを考えるきっかけになって頂ければと思います。
エビデンスが偉いわけでもなんでもありませんが、一つの指標となると思います。
ちなみに東洋医学の多くのエビデンスレベルは低いものが多いです。
なかなかランダム化比較試験なんてできませんからね。

 

さて、この時期ですので「コロナウイルス」について。
まだまだ色々と判らないことが多いです。

 

判っていることで私が重要に思っていることは「発症していなくても、感染している人は他の人へ感染させてしまう」ということです。

これは、どうあがいても感染を止めることはできないでしょう。

だって、感染している人自身が感染している事を知らないのだから。

 

ではどうしたら良いか。

自分も感染するものと考え、その為の準備をしておく。

そして、感染してしまった時のために重症化しないように免疫力を高めておく

その為には、しっかりとした睡眠、食事、排便、運動、過度のストレスを無くす。

もちろん、感染したくありませんので人混みに出ないようにするとかも必要かもしれませんよね。

個人的には、手洗い、うがい、喉を洗うためにこまめの水分摂取を心がけていますが、セルフケアでお灸をしたりもしています。

 

最後に、私の治療院では時々こんなお話しをします。

「私の言うことを聞かないで下さい」